2010年01月11日
初笑いは、らくだ
初笑いは、青木島の寿限無寄席で、桂平治師の「らくだ」。
屑屋の久さんが、らくだの兄貴分、丁の目の半次に
酒をすすめられるまま、一杯、二杯、そして三杯と、
湯呑みの酒を飲み干すたびに、酔いがまわり、
豹変していく様を見事に演じていた。
たっぷりと一時間。
らくだをライブで、通しで聴いたのはこれが初めてだ。
平治師は、師匠の桂文治のエピソードから、
志ん生が酔っぱらって、高座で寝てしまった話をまくらにして、
なんだか、東京の寄席にいるような気分にしてくれた。
八の字眉毛の平治師が、強面の親分では、目つきが変わり、
首をコキコキ鳴らして、マジで凄みがあった。
一方、屑屋さんの気弱さと、酔うほどに人間がかわっていく様子は、
抑圧された感情が、酒の力で解き放されていくようだった。
最後には、人物が乗り移っていたね。
噺家は、音楽家と同じで、
三日声を出さないと、調子が出ないそうで、
だから、毎日毎日高座で演り続けることが大事だって、
平治師の弁です。
場数を踏み、踏み続けることで、
プロはプロの技を磨き続けていく。さすが、真打ち。
いつも感じる、前座、二つ目、そして真打ちの力量の差。
今日の平治師は、その中でも際立っていた。
まじに、一杯、酒が飲みたくなる、
居酒屋寿限無にピッタリの演目でした。