2013年12月08日
第44回ざぶとん寄席
平成25年11月15日 金曜日 19時開演 21時終演
上山田文化会館特設舞台

開演前に時雨が流れ、秋の深まりを感じます。
ステージの上にござを敷いた特設会場には、座布団がありがたい季節になりました。
本日のご来場は、112名様。ありがとうございます。
(ざぶとん寄席サイトのサーバーが不調なので、ここに仮アップします)
三遊亭わん丈「子ほめ」

古今亭文菊「替わり目」

柳家小満ん「寝床」

開口一番は、三遊亭わん丈さん。
「子ほめ」

滋賀県出身の現存する唯一の噺家だそうです。
三遊亭円丈師匠のお弟子さん。
堂々とした語り口で、お客様のつかみ方もうまい。
聞くところによると、九州では名の知れたミュージシャンだったとか。
ステージより高座を選んだわけですが、ざぶとん寄席はステージの上に高座があるんで、どちらも適いましたね。
続いて、古今亭文菊師匠。
「替わり目」

当寄席には二回目のお出ましです。
真打ち昇進前に、二つ目、古今亭菊六として、お出ましいただいています。
その節の一席は、「転宅」でした。
この二つ目は、どこまで伸びて行くんだろうと、逸材ぶりを垣間見る思いがいたしました。
その後、二十数人抜きで真打ちに昇進し、師匠文菊となっての来場となりました。
どこかに品があり、若旦那か、歌舞伎役者のような風貌は、真打ちとなり、さらに落着きが加わったようです。
酒飲みの所作、物売りの声、都々逸、新内節と、目に浮かぶような情景描写。
寄席が終わってから、お客様の多くは、おでんで熱燗を一杯召し上がりたくなったに違いありません。
この噺は、主人が酔って、おでんを買いに出て居なくなった女房を褒めちぎると、実は女房殿が出かけずにそれを聞いていたというところで、落ちとなることが多いのですが、この日は最後まで聞かせてくれました。
「替わり目」の題目が、なるほどと腑に落ちる、落ちでした。
仲入りのお楽しみ抽選会をはさんで、柳家小満ん師匠。
「寝床」

小満ん師匠が高座にあがると、何処からか風が吹いてきます。
それは江戸の風。
まくらは振らずに、すっと「寝床」に入ります。
そこはもう、商家の一角。
旦那と番頭が、義太夫の会の客集めの話をしています。
語り口は自然体、声のトーンは低く、前の言葉が終わらない間に次の言葉がかぶさってくるような感じが、絶妙なテンポを生み出しています。
明らかに文菊師匠のリズム感とは違います。
文菊師匠が、現代(いま)の落語を現しているとしたら、小満ん師匠には、明治・大正、昭和と連綿と受け継がれてきた、伝統の落語が流れていたような気がします。
或る噺家さんが、小満ん師匠は本当に凄いと、絶讃していました。



真の落語家も唸らせる、子満ん師匠の芸。
そして、抜擢真打ち、文菊師匠の粋。
平成の落語と昭和の落語の競演とでも言いましょうか、聞きごたえたっぷりのざぶとん寄席でした。

上山田文化会館特設舞台

開演前に時雨が流れ、秋の深まりを感じます。
ステージの上にござを敷いた特設会場には、座布団がありがたい季節になりました。
本日のご来場は、112名様。ありがとうございます。
(ざぶとん寄席サイトのサーバーが不調なので、ここに仮アップします)
三遊亭わん丈「子ほめ」

古今亭文菊「替わり目」

柳家小満ん「寝床」

開口一番は、三遊亭わん丈さん。
「子ほめ」

滋賀県出身の現存する唯一の噺家だそうです。
三遊亭円丈師匠のお弟子さん。
堂々とした語り口で、お客様のつかみ方もうまい。
聞くところによると、九州では名の知れたミュージシャンだったとか。
ステージより高座を選んだわけですが、ざぶとん寄席はステージの上に高座があるんで、どちらも適いましたね。
続いて、古今亭文菊師匠。
「替わり目」

当寄席には二回目のお出ましです。
真打ち昇進前に、二つ目、古今亭菊六として、お出ましいただいています。
その節の一席は、「転宅」でした。
この二つ目は、どこまで伸びて行くんだろうと、逸材ぶりを垣間見る思いがいたしました。
その後、二十数人抜きで真打ちに昇進し、師匠文菊となっての来場となりました。
どこかに品があり、若旦那か、歌舞伎役者のような風貌は、真打ちとなり、さらに落着きが加わったようです。
酒飲みの所作、物売りの声、都々逸、新内節と、目に浮かぶような情景描写。
寄席が終わってから、お客様の多くは、おでんで熱燗を一杯召し上がりたくなったに違いありません。
この噺は、主人が酔って、おでんを買いに出て居なくなった女房を褒めちぎると、実は女房殿が出かけずにそれを聞いていたというところで、落ちとなることが多いのですが、この日は最後まで聞かせてくれました。
「替わり目」の題目が、なるほどと腑に落ちる、落ちでした。
仲入りのお楽しみ抽選会をはさんで、柳家小満ん師匠。
「寝床」

小満ん師匠が高座にあがると、何処からか風が吹いてきます。
それは江戸の風。
まくらは振らずに、すっと「寝床」に入ります。
そこはもう、商家の一角。
旦那と番頭が、義太夫の会の客集めの話をしています。
語り口は自然体、声のトーンは低く、前の言葉が終わらない間に次の言葉がかぶさってくるような感じが、絶妙なテンポを生み出しています。
明らかに文菊師匠のリズム感とは違います。
文菊師匠が、現代(いま)の落語を現しているとしたら、小満ん師匠には、明治・大正、昭和と連綿と受け継がれてきた、伝統の落語が流れていたような気がします。
或る噺家さんが、小満ん師匠は本当に凄いと、絶讃していました。



真の落語家も唸らせる、子満ん師匠の芸。
そして、抜擢真打ち、文菊師匠の粋。
平成の落語と昭和の落語の競演とでも言いましょうか、聞きごたえたっぷりのざぶとん寄席でした。
